今年1月15日、クイーンズランド大学永田由利子先生と一緒に浦賀に行ってきました。
浦賀は、メルボルンを出航した引き揚げ船「高栄丸」が1946年3月13日に到着した港です。その日は、雪の降る、寒い日だったとタツラキッズから聞いています。高栄丸にはニューカレドニア日本人移民を含む2562名(POW400名を含む)が乗船しており、彼らが下船した桟橋は、通称陸軍桟橋と呼ばれる昭和10年頃にできたものでした。今は子供たちが釣り糸をたらすその場所の側には、引き揚げ記念碑がたっています。
ここからタツラキッズは、それぞれ親族をたよってに両親とともに移動していきます。浦賀から上野に出て汽車で北に向かう人、西に向かう人、沖縄への船を待つ人。ニューカレドニアやオーストラリアのキャンプで生まれた子供たちは、初めての日本で、敗戦直後の廃墟と荒廃した暮らしぶりに唖然としたことでしょう。両親から聞いていた美しい日本とはほど遠い姿を目にしてどれほど不安を感じたでしょう。