27日(金)約60名の方のご参加いただき、レクチャー&コンサートが無事終了しました。懐かしい顔ぶれ、初めての皆様、たくさんお越しいただきありがとうございます。タツラキッズも3名来てくださいました。
音楽は、ひじょうに雄弁な表現で、一瞬にして人の心をとらえ、展示会場を別世界にしてくれます。rimaconaの演奏は、私の作品に寄り添いながら、同時に別の世界に連れ出してくれるような気がします。私は、rimaconaの音楽に包まれながら、自分が出会った二世たちの笑顔を見つめなおし、数年前に自分と彼らの間に流れた特別な時間のことをいろいろ思い起こします。rimaconaの学生時代からの活動をご存知の方は、「ずいぶん上手になったね」、とその成長ぶりを喜んでくださいました。
レクチャーのなかで、rimaconaの楽曲を、私の作品の一部とお話しましたが、それは、私のプロジェクトの一部を担ってもらっているという意味です。私のテーマ(詩)に沿って、rimaconaと一緒に時間をかけてつくった楽曲であり、映画音楽のように、本体の作品に相乗効果を与えてくれるものです。rimaconaは期待以上のクオリティで私にかえしてくれています。
この移民史のプロジェクトは、展覧会、著作、映像、音楽など、多様なメディアによる手法が混在することで成立しています。そうすることで、この移民史をよりうまく伝えることができると思うからです。個々の作品のテーマが決まると、それに適した表現方法で制作を開始しています。
そして、プロジェクトを支えてくださるのは、当事者の二世やタツラキッズ、rimaconaのような若い世代、市民、アカデミック、プレス関係者、いろいろです。皆が、それぞれの専門分野や立場をキープしながら繋がっていることが大切だと思っています。そういう意味では、私の役割は皆が集う場を提供することかもしれません。
一方、私の展覧会をいつも見てくださってきた何人かの方からは、「以前の展示の方が良かった」と言われました。確かに、一つの閉鎖空間で、自分の世界観をもっと数の多い展示物でまとめるか、ひとつかふたつのエピソードに絞り込んだ今まで展示に比べると、今回の展示サイズは中途半端なのかもしれません。また、当分割して与えられた展示スペースは、イベントの展示ブースのようでもあります。作品をもうひとまわり、大きくしたらよかったのかもしれません。
展覧会は2月12日(日)までです。どうぞ、お出かけください。

演奏するrimacona  写真 松井智子