今年は、日本からニューカレドニアに最初の移民(ニッケル鉱山での契約労働者)が渡って120周年の節目を迎え、6月29日から7月10日にかけ、ニューカレドニアでは数多くの催しが企画されています。そのプレイベントをかね、勤務先の 成安造形大学に於いて公開講座を開催します。

  • 「戦前ニューカレドニア日本人コミュニティの記憶」
    日時:2012年6月2日(土)14時より(入場無料)
    場所:成安造形大学聚英ホール
    講師:津田睦美(写真作家、成安造形大学写真コース准教授、日本移民学会会員)
  • 今や楽園の代名詞となったニューカレドニアには、戦前ニッケル鉱夫として出稼ぎにいった移民たちが定着し、活気ある日本人コミュニティをつくりあげていた時代がありました。しかし、太平洋戦争の勃発によって彼らは全財産を没収され、ニューカレドニアから追放され、その人生は大きく翻弄されていきます。その後、島に残った日本人の子孫といえば、現地女性の妻との間に産まれた混血の子供たちだけですが、彼らは現地社会にくみこまれ、日本語も日本的な風習も引き継がれることないまま、日本人コミュニティは事実上消滅しました。
  • このたび、津田は、日本人移民120周年祭に企画アドバイザーとして関わるとともに、期間中、ヌメア市立博物館とチバウ文化センターの展覧会、各会場での講演会を開催、著作「AMES ERRANTES」(「マブイの往来」の仏語版)を出版します。そこで本公開講座では、移民120周年祭の意義について触れながら、特に、首都ヌメアの日本人コミュニティに焦点をあて、写真をお見せしながら日本人のいた時代の記憶をご紹介したいと思います。
    講演会は申し込み制になります。
  • ご希望の方は成安造形大学附属芸術文化研究所まで。077-574-2118