チバウ文化センターで、「Dear Tatura kids」という44枚のポスター仕立ての展示を行いました。三か国語のテキスト、タツラに抑留された日本人のヌメアで暮らしていた頃の写真、現在のタツラの写真、資料などを混ぜて構成したものです。
負の歴史のイメージにはしたくなかったのですが、生まれ故郷から追放された子供たちとその両親の話ですから、鑑賞される方は皆、固い表情でした。なかに、オーストラリア政府が、ニューカレドニアにおける日本人逮捕時の過酷な取り扱いに対して、ニューカレドニア政府に問い合わせる手紙も折り込みました。私が説明せずとも、こういった古い文書は多くのことを語ります。
これが思った以上にたいへんな作業でした。出力はニューカレドニアで行ったのですが、データの送信がうまくいかず、アートディレクションを担当してくれたTさんには、すっかり迷惑をかけてしまいました。
7月7日(土)には、講義室エマンで簡単な講演会。タツラキッズが同席してくださり、質問にも回答していただきました。講演後、「自分の祖父は日本人だけれど、何も知らない」と声をかけてくださった若い女性3人組がいました。他にもメールでの問い合わせがあったり、まだまだ自分の先祖のことがわからなくて気になっている人が大勢いるのを改めて感じました。
今回、私が行った講演には、岐阜の日仏協会のメンバーなど、熱心に聞きにきていただいた日本人の方がおられ、この歴史に興味を持っていただいたことが嬉しかったです。
移民の話は、それがどこの話であっても、どうも日本人を感傷的にさせるもののようです。多くの移民研究者が、ささやかな出会いから研究者になっています。

チバウ文化センターでの展示(お恥ずかしいピンぼけ、、、)