BSフジで、立教大学の上田恵介教授がニューカレドニアで行った「鳥の行動の進化」に関する調査を紹介する番組が放映された。
ニューカレドニアのワピピ(カレドニアセンニョムシクイ Gerygone flavolateralis)の場合、自分の卵を守るために、托卵されたカッコウの卵を巣から放り出さないことで自分の卵を守る。そこに「鳥の行動の進化」がみられるという。
カッコウが行う「托卵」は、子育てを自分でしないカッコウが、他の鳥の巣に自分の卵を産みつけ(日本の場合はオオヨシキリ)、卵の数を合わせるために元々あった卵をひとつ巣から放り出すことだ。その瞬間の撮影に初めて成功したのが、上田教授の研究チームにいる佐藤望さんという若い研究者。
カッコウは托卵を成功させるために、自分の卵を托卵先の鳥の卵にだんだん似せていった。それに対抗してニューカレドニアのワピピがとった行動は、カッコウの卵を捨てずに孵化させ、それからヒナを巣から取り除くことだった。温帯地域にくらべて熱帯地域では、鳥が産む卵の数が少なく、鳥類の生息数が多いため托卵される確立が高いそうだ。そういう環境が「孵化したヒナを巣から放り出す」という行動の進化に影響を与えているのではないかと上田教授は話していた。
道具を使うカラスがいるのもニューカレドニア、どうもこの島の鳥は頭がいい。ワピピは小さい鳥だが、カッコウに立ち向かう勇気ある鳥だ。短い番組だったがとても面白かった。ニューカレドニアの巨大シダ自然公園に行って、ワピピの観察を続けているであろう佐藤望さんに会いたくなった。
PS 残念ながら、ワピピの写真はありません、、、

ワピピの代わりに昨年自宅の庭で生まれたアオジのヒナをご紹介します。まだ飛べないのに慌てて巣から飛び出したのか、周辺で心配した親鳥が一日中鳴いてました。            
Photo : Mutsumi Tsuda