『DADA Journal』という滋賀県湖東・湖北エリアを中心とした地域情報を紹介するフリーペーパーがある。「DADA」というからアート系かと思ったがそうでもない。若い人がつくっているようだが、どういう組織なのかもよくわからない。私がこの『DADA』を知ったのは、知人が『近江学』に書いた私のエッセイが紹介されていることに気付いて送ってくれたからだ。ライターは「唄屋の縁」という連載コーナーをまかされているシンガーソングライター、喜多 充さんである。

『近江学』はたいていが民俗学、文化史、歴史系の記事で、私の書いたほとんど誰もしらない移民の話はちょっと毛色が違っている。滋賀県の大学に勤めてはいるものの、ニューカレドニアやオーストラリアに研究基盤がある私にとってなかなか滋賀は縁がない。そのなかで、なんとかニューカレドニアに渡ったわずかな滋賀移民のことについて書いたのだが、それがこうやって人の心に留まったこと、特に喜多さんの最後の12行がなんとも嬉しいではないか。これからも知られざる歴史を紹介すること、続けていきたいと思う。

http://dada-journal.net